ヤドリギ

遺書代わりのメモ

日本人が海外で活躍するために一番必要なことは「英語の勉強」ではなく「ルールの勉強」

海外事業が順調です。大してPRもしていないしする気もないんですが、たぶん私が死ぬ頃には経済誌とかに「日本は海外でこう戦え!」な感じで取り上げられんじゃねえかと思っています。知らんけど。

私は海外事業をするときは基本的に「海外っすか!行きたいっす!」な何も考えていない若手に金あげて放り込んで放置プレイなんですが、出国前に1つだけ必ずやっていることがあります。それは何かというと、その国で生きていく上で必要なルールの教育。覚えることができなかったら行かせないし、実際に何人か諦めさせたことがあります。それくらい国のルールを覚えることは大事です。

挨拶が大事な国だったら、挨拶の作法を徹底的に教え込みます。

どんなことをしたら失礼にあたるかを体レベルで覚えてもらいます。

食事のマナーを現地人と一緒に食事をしながら学びます。

法人の設立方法を、実践しながら覚えます。

地域ごとに特有のルールがあったら、突撃する予定の地域のルールを調べに調べておきます。

たぶん、他の人から見たらドン引きするくらいのレベルで教育します。

正直、英語とかどうでもいいです。そんなの向こう行ったら嫌でも覚えますし、商談で「お前レベルの英語じゃ話にならん!」と一蹴されたらさらに勉強するでしょう。これは中国語でもスペイン語でもフランス語でも変わりません。生存本能が呼び覚まされたら能力は研ぎ澄まされるものです。

そんなことより勉強すべきはルールです、ルール。私たち日本人は、外国人が銭湯で体を洗わずに風呂に入ったり、入っちゃいけないところに入って写真撮ってインスタに上げたりしたら「おいこらガイジン」と思うじゃないですか。それと同じようなルール違反を海外でやったら、ビジネスをする前から信用を失ってしまいます。これは非常にもったいないことです。

これは私見ですが、私は日本人が海外で活躍できないのは英語ができないからじゃなくて、ルールの勉強不足だからだと考えています。現地の公用語がネイティブレベルで話せても、ルールも知らずマナーも悪い人には仕事はやって来ません。海外で起業するつもりなら、起業する国のルールを学び、リスペクトすることを忘れないようにしてください。

業績が悪化している会社が必ずやっている3つのこと

無駄に長く経営者なんてものをやっていると、あの会社が資金繰りに困って倒産しただの、社長が自殺しちゃって慌てて家族が引き継いだら1年も持たず潰れちゃっただの、部下が反乱起こして全員いなくなっててんてこ舞いになっただの、いろんな景気の悪い話をされた記憶が蓄積されていきます。

で、今回はそんな景気の悪い話の中で「業績が悪化している会社」の記憶を引っ張り出して、共通項を3つピックアップしてみました。なんでこんなこと書くかって言うと、この前アメリカ出張したときにVCの人とこの3つについて話したら「これ間違いないっすね」と褒められて調子に乗っているからです。

業績が悪化している会社にいる皆さん、特にベンチャーにお勤めの方、自分の会社がこの3つ全てに該当していたら、結構リアルに転職考えたほうがいいかもしれません。

1:ToDoリストの作成や日報の提出を義務付ける

f:id:miyazawataichi:20180922165743p:plain

すっごい、すーーーーーっごい多いのがこれ。私の観測範囲ではぶっちぎりで1位です。

私には理解できないんですが、調子が悪い会社の社長さん、上司軍団は「社員が働いていないのでは?????」と考えてしまうそうです。で、改善点を見つけるためにToDoリストを作らせたり日報を書かせたりするそうな。

私その話を初めて聞いたとき

「いや、あの、意味なくね?」

って言っちゃいましたよ。だってそんなの作ってる暇あったら働いてほしいもん。

ToDoの管理は上司がやるべきことだし、誰々とどこで会って、どんな商談をして、事務作業に何分費やして…なんて日報書かせたら貴重な労働時間を30分くらい奪うことになるしで、いいことなんて1つもありません。マジで無駄です。

ToDoリスト、日報は社長や上司が社員を適切に管理することをサボるために存在するものです。そら会社も傾きますわ。

2:どんなことも社長の許可がないと進まない

f:id:miyazawataichi:20180922170135p:plain

これは10~50名くらいのベンチャーに多いんですが、とにかく会社のすべてを把握して、決めたがる社長がいる会社は伸びません。そういう会社は一時的に調子がいい時もありますが、一度右肩下がりになると歯止めが効かなくなり、あっさり潰れます。

私の肌感覚では、何でも自分を通さないとダメな社長がいる会社は、だいたい20名を超えたあたりで「急いで決めないといけないことがあるのに、社長が外出中で決められないどうしよう。。」という事案が週1くらいで発生するようになり、どベンチャーなのに大企業より決定が遅くなり、競合にあっさり抜かれることが増えて、抜かれたことについて「どういうことだ!」と社長が怒り、「いやいやいや、お前が全部把握しないと決められない仕組み作ったせいだろうよ!!」と優秀な社員が愛想を尽かして辞めて…という負のスパイラルが発生しやすくなります。

「決定権を与えられるレベルの社員がいないから俺がやるしかないんだ」と反論してくる社長さんもいらっしゃるんですが、決断力は決断の回数をこなさないと鍛えられないので、「私は社員を育成できない社長です」と言ってることと変わりません。

 

3:会社の情報が全員に平等に開示されていない

f:id:miyazawataichi:20180922170241p:plain

最後はこれです。

超がつくくらいの大企業だったら「まあしゃーない」と思うのですが、10人程度の会社で社長、役員、社員それぞれが知っている会社の情報がぜんぜん違うときは、かなり危険だと思ったほうがいいです。

例えば、会社の先月の売上

例えば、重要顧客情報

例えば、商談の進捗状況

例えば…

といった感じで、「最低限、この程度は共有しておかないとダメだろう」な情報が末端にまで行き届いていない組織のスピードはびっくりするほど遅いです。

「社長今日ずっといないけどどうしたん?」「さあ、重要な打ち合わせがあるとか言ってたけど…」

みたいな会話が増えてきたら、会社が曲がり角になったと思って間違いありません。

まっとうな経営をすれば必ず会社は成長する

経営が失敗するときって、だいたい上が下の教育を怠っていたり、権限委譲を適切にできていなかったり、やる気を出させるための情報提供をサボっていたりと、かなり基本的なところで怠慢があります。ここを改善できないと、一時的に調子が良くてもどこかで歪みが生じ、屋台骨がどんどん傾いて倒れるでしょう。

社長、または上司が社員と一緒に目標をきっちりと立てて、目標達成のために何をするべきかを決めておけばToDoリストはその場で完成したようなものですし、目標が決まっているのなら達成するために必要な決断を任せてもいいでしょうし(検証は必要だけど)、会社の情報にアクセスしやすくしたら結果につながる行動もしやすくなるでしょう。

業績が悪化している会社は、まず間違いなくまっとうな経営をすることをサボっています。このクセは簡単に直るものではないので、会社にそこまで愛着がなかったら早めに見きって転職することをおすすめします。

余談

「社長に寵愛される社員が出てくる」とか「上司が無能」といったものを期待してこのエントリーを開いた方がいると思うのですが、いつの時代も社長は誰かをえこひいきしたくなるものですし、どんな企業にも無能な上司は一定数発生します。なので、人的なエラーは業績に影響することはあるが、倒産の引き金になるファクターとしては弱いと判断し、今回の3つのことからは除きました。