ヤドリギ

遺書代わりのメモ

報われなかった経験も必要だと思うけど、いまはなんでも報われたことにしないといけない時代なのかもしれない

個人的にはウチの社員には仕事の中でたくさん悔しい思いをして成長してほしいと思っているのですが、今はそういう時代ではないと思っているので、できるだけ努力したこと、達成したことを褒めるようにしています。

考え方を変えるきっかけになったのはファーガソンの自伝を読んだ時。あの監督はハーフタイムにパッとしない選手に「ヘアドライヤー・トリートメント」と呼ばれる叱咤激励、というか吊し上げをして気合を注入していたことで有名だったのですが、この自伝の中では「近年の選手は怒るとガチでヘコむのであんま怒らなくなった」と書かれていて衝撃を受けました。

※自分は英語版を読んだのですが、Amazonみたらちょうど日本語訳版が出たようなので、よかったら読んでみてください。経営の観点から見ても結構面白いです。

これを読んで以来、頭に血が上りそうなヘマをしでかした人が出たとしても「あのファーガソンでさえ今の若者に対しては怒るメリットがないと感じているんだ」と自分に言い聞かせ、できるだけ穏便に済ませるようになりました。どう考えても成長につながらないようなプロセスを経てクソみたいな結果を出したあとに、社員同士で「無駄なことなんてひとつもないよ」みたいな慰め合いをしているのを見てブチ切れそうになっても、「次はいい結果が出るさ」と歯を食いしばりながら励ましています。

スポンサードリンク

最初は「なんでこんな時代になってしもうたんや」とエセ関西弁になりそうなくらい悩んだものでしたが、最近は「こういう育て方もあるよな」と割り切れるようになりました。

いまの若い人って、ネットに情報が氾濫しすぎて「エア報われなかった経験」をたくさんしているんだなと気づけたんです。小さい頃からいろんな人の「夢を叶えた体験談」みたいなものを見せられたり、自分が得意だと思っていたことが世界レベルで見ると全然大したことがないという現実をつきつけられたりと、とにかく自分の努力が水の泡になる経験をして育っています。大人の自分たちからすると気にするようなものじゃないと思うのですが、彼らにとってはそれが常識なのです。

なので、せめて普段一緒にいる仲間同士ではある程度認め合う空気は必要なんだろうなと。もちろん満場一致であまりにも「これはひどい」な結果を出してしまった時にはある程度の叱責、激励はしますが、できるだけ小さい成功体験を積み重ねさせて、優秀な人材に育て上げたいと考えています。