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ヤドリギ

遺書代わりのメモ

プログラマーへの無駄な問い合わせ電話を減らすために、電話連絡を追加料金+全文文字起こしして確認を迫るようにした話

ウチの会社は業務効率化の観点から、プログラマーのシマに電話を置いていません。電話連絡先はディレクターに一本化し、連絡内容をSlackに流して対応してもらうようにしてきました。

しかし、それでも何が何でも電話連絡をしようとする人が出てくるので、今年からプログラマーへの電話連絡を10分○円*1にして、それでも電話してくる猛者には音声を全部文字起こしして「電話の内容はこれでいいですね?」と送りつけ、確認が終わらないかぎり作業に入らないようにしました。もうとにかく「電話するほうが損だ」という意識を植え付けようとありとあらゆる手を打ったのです。

結果として、今月ようやく電話の問い合わせが0件になりました。電話連絡の有料化と平行してSlackを始めとしたチャットツールでの連絡を推奨していたので、反発もそれほどなく進められたので良かったです。結果として納期短縮、クオリティの向上にもつながっているのでしばらくはこの方針で進めようと思います。

なぜプログラマーへの電話は禁止なのか?

こういうことを書くと「プログラマー何様だよ」と反応する方々がいるのですが、プログラマーへの電話連絡禁止は我々がやっている数多くの業務効率化施策の1つに過ぎません。その中でも電話禁止が特に日本において徹底が難しい項目の1つなので、備忘録がてらアイデアの共有も含め書いている次第です。

電話禁止による3つのメリット

電話禁止は

  1. 連絡経路の一本化
  2. エビデンスの残らない連絡が減る
  3. 作業時間の確保

の3点においてメリットがあります。

1:連絡経路の一本化

プロジェクトにおいて、連絡経路の一本化は基本中の基本です。ウチではだいたいディレクターを責任者として、クライアントからの連絡はディレクター以外受けないようにしています。

クライアントを含めたSlackのチームを作ったとしても同様です。うっかりプログラマー宛に私信が来た場合はディレクターに必ず共有し、全体チャットで「○○に連絡いただいた□□の件ですが△△で対応します」と返すルールを徹底しています。

「誰々がこう言っていた」「私は知らない」が1個でも出てくるとプロジェクトは失敗に向かい始めます。そのためにもプログラマーだけでなく、ディレクター以外のチームメンバーには電話での直接連絡はあってはいけないのです。

2:エビデンスの残らない連絡が減る

電話の禁止は、作業範囲の明確化を楽にする効果もあります。

「私はこうしろと言ったのになぜできていないのか」
 ↓
「いやそんな話はしていない」
 ↓
「3日前にプログラマーのAさんに電話で指示したぞ」

こんなやり取り、経験したことがないでしょうか。ディレクター歴が長い人であればこの3行を見るだけで頭が痛くなるはずです。

電話連絡をなくせば、上記のようなトラブルを防ぐことができます。プロジェクト進行における最大の障害は「言った言わない」のやり取りです。やるべき作業の範囲が大きくなったり小さくなったりすると、スケジュールだけでなく納品物のクオリティにも影響が出るので、作業の指示は必ずエビデンスが残る方法で受けるようにしましょう。

3:作業時間の確保

最後は単純な話になりますが、受話器持ちながらだとプログラマーはろくに作業ができません。これがわかっているようでわかっていない人があまりにも多いと感じています。

例えば、「大変だキャンペーンバナーのリンク先が間違っている!修正しないと!」となった時、

  1. 「キャンペーンバナーのリンクが間違っています!」と会社に電話連絡する
  2. Slackかメールで「Bさん、このキャンペーンバナーのリンク先が間違っているので◯から△に急ぎで変更してください!」と投げる

大きく分けるとこの2パターンの連絡方法が考えられます。

この場合は緊急なので電話連絡もアリといえばアリなのですが、どのバナーのリンク先を何に変更すればすぐにわかって作業に入りやすい2を選択するべきでしょう。

しかし、不思議な事に日本では「早く変更しろ!」という電話を掛けたがる人がたくさんいらっしゃいます。急いで会社に電話してプログラマーにつないでもらい、「大変ですリンクが切れているんです」「え、どこがですか」「キャンペーンバナーです」「どこのですか」「一番上のです」「どのページのですか」「トップページですよわからないんですか!」「この赤いやつですか」「そうです!」「で、リンク先をどれにすればいいんですか」「今からメールします!」「」

なことが本当に起きます。ひどいパターンだと口頭でURLを言う人もいたりして、すごいなこの国って思うことがしばしば。

このような無駄なやりとりで、いままでどれだけプログラマーの作業時間を削られたかわかりません。電話連絡をなくしてからは作業時間を予定通り確保できるようになり、全体的に作業が早くなりました。

もちろん電話連絡が必要なこともあるよ

ここまで書くと「この会社はやだなー、めんどくさそうだなー」となると思うのですが、私は電話連絡を否定しているわけではありません。進捗の確認やぼやっとした相談とかは電話のほうが楽ですし、電話だからこそ伝わるものもあります。ディレクターは毎日のように誰かから電話連絡を受けていますし、電話で受けた指示を作業に加える事も当たり前のように発生しています。ウチは業務効率化のために連絡先を一本化し、各メンバーの作業時間を確保したいだけなのです。

私はプログラマーだけでなく、作業をする人はみんな、工事現場の作業員と全く同じなんだと考えています。足場を作っている最中の人に携帯で「いま作ってもらってるビルに設置する電球の件なんですけどー」と連絡するバカはいないでしょう(いそうですけど)。作業員に指示を出したい場合は現場監督に連絡をして、対応できると判断されたら監督経由で伝わるはずです。

ウェブ制作も同じように、プログラマーもデザイナーもコーダーも、連絡はディレクター経由に一本化して作業に集中できる環境を作るべきです。そのためには電話だけでなく、メールでの直接連絡は禁止する必要があるのです。

電話の有料化はプロジェクトを滞り無く進めるために打った施策の1つ。ウチは今後海外の企業と仕事をすることが増えていくので、できるだけどの国ともスムーズにやりとりが行えるプロジェクトの進め方を模索していきたいと考えています。

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*1:ディレクターならもちろんタダ